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第70回 (2013年1月号)
The Great Switcheroo「すばらしきかな、スワッピング」
その②

『スウィッチ・ビッチズ』(ロアルド・ダール作、早川書房刊、永井淳訳)
by 柴田耕太郎
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 文法力をつけたいが、無味乾燥な文法書など読みたくない。
 そんな読者のために、人気小説の翻訳書に見る誤訳・悪訳をとりあげ、文法面から解説してゆく。題材は最近映画化された『チョコレート工場』の原作者で、日本がロケ地になった映画『007は二度死ぬ』の脚本家でもあるロアルド・ダール(Roald Dahl)の短編から任意に選ぶ。いずれも原文で10ページ程の短いものが中心だから、読者も自分で訳してみて、この解説を参考に市販訳との優劣を競ってみてはいかがだろうか。
 冒頭に誤りの種別と誤訳度を示したうえ、原文と邦訳、誤訳箇所を掲げます。どう間違っているのか見当をつけてから、解説を読んでください。パズルを解く気分で、楽しみながら英文法を学びましょう。
誤訳度: *** 致命的誤訳(原文を台無しにする)
** 欠陥的誤訳(原文の理解を損なう)
愛嬌的誤訳(誤差で許される範囲)
The Great Switcheroo「すばらしきかな、スワッピング」
ストーリー
ジェリーとヴィクは良き隣人同士。ジェリーの細君に下心をもったヴィクは、それとなくジェリーにスワッピングの話を持ちかける。ジェリーはうまく誘いに乗ったが、問題は貞節な二人の妻に、相手が変わったのを気付かせずにセックスできるかということ。二人はあらゆる事態を想定し陰謀を企て、さあいよいよあとは実行というところまで漕ぎつけたが…。

結構長い作品であるが、誤訳・悪訳がほとんどない。いつも言うが翻訳職人、永井淳たる所以。これで文章を彫琢してくれていたらいう事ないのだが。
(原文p378 訳文p109) 
We called it ‘Spilling the Beans’, and it was here that both of us had to describe in every detail the procedure we adopted when making love to our own wives.
それは“機密漏洩”と名付けた部分で、ここにおいて二人とも自分の女房と寝るときの手続きを微に入り細を穿って相手に説明しなければならなかった。


(コメント)
「微に入り細を穿って」との連語にはなりにくい気がするが…。念のため広辞苑を引いたら、この表現があった。自分の語彙の貧困を嘆かねばならない。
なし

(原文p380 訳文p113)***
‘This is one hell of a thing we’re trying to do,’ he said. ‘I hope we pull it off.
「ぼくたちは空恐ろしいことをやらかそうとしている。できれば延期したい気分だよ

(コメント)
 日本語では、何の矛盾もなさそうだが、直訳は「私は自分たちの企てをやり遂げたいと願う」(pull off : やり遂げる)で、臆病になりがちな自分の心を叱咤激励しているのだ。意味が逆になってしまう。
絶対やり遂げようぜ
(原文p380 訳文p113)
Samantha was wearing something green that didn’t start until it was halfway down her front, and I had never seen her looking lovelier.
サマンサは胸がお臍の近くまであいたグリーンのドレスを着ていたが、わたしはこのときほどきれいな彼女をみたことがなかった。

(コメント)
 「臍のとこまで切れ目が入ったドレス」ってどんなのだろう…。front は「胸の谷間」のこと。訳し過ぎではないか。
胸のところまでざっくり切り込みの入ったドレス
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