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この to 不定詞は名詞的用法「…すること」。be は文末にきて「存在」を表す cf. She is a girl. (この is は連結動詞でSとCを結ぶ印)。「存在」の意味範囲が広いので、解釈によって訳が変わってくる。カンマは、息継ぎ、半拍置く印。この or は選択を示す。 |
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コロンは以下詳細を示す。 |
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that は直前に述べられたことを指す。ここでは前節全体。 |
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question は「決断や議論を要する事柄」。cf. problem (乗り越え、解決せねばならない事柄) 。the は了解されている(ここではハムレットの心の中で)ことを指す。 |
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whether A or B。whether は古用法で疑問詞(二者のうちどちらが)「AかBか」。Aは to suffer、Bは to take。
例:whether had you rather lead mine eyes, or eye your master's heels?
(先に立って私の案内するのと、旦那の後からついて行くのと、お前、どっちがいい)
*このhad ratherは「むしろ…したい」の意。 |
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’tis は it is の省略形。この隠れた it は二つの to 以下を指す。 |
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nobler の比較の対象は、to suffer と to take。 |
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mind は「精神」転じて「(特に高い精神性を持つ)人間」。「男らしい」との訳は文の流れを重んじての意訳。 |
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suffer の意味:ラテン語「suf- 下で、-fer 運ぶ」より(1)「(苦痛を)こうむる」(2)(文語で)「耐える」のうち(2)。arms は(1)古英語より「腕」(2)ラテン語より -s「武器」「戦闘」、のうち(2)。 |
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the は of 以下で規定されていることを示す。slings は「投石(器)」 |
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ofは、所有、関連を示す。 |
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outrageous:out- 突き出て、rage 激怒より→「常軌を逸した」。fortune の意味:ラテン語「fors 偶然」より→「財産」「運命」「幸運」のうち、ここは「運命」 |
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カンマの意味:息継ぎであり、かつ前のto不定詞の終了を示す。 |
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「…に対して」「…に逆らって」。 |
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イディオム「沢山の」。逍遥の時代には、適切な辞書がなかったかもしれない。 |
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troubles の意味:-s「騒ぎ」「混乱」 |
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息継ぎの印。 |
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ゆるい順接「そして」。andの繋ぐもの:takeとend |
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by の意味:能動形とともに用いられ手段を示す。opposing の意味:ここでは自動詞の動名詞「対立すること」 |
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them の指すもの:troubles。end は「終わらせる」だが、「生か死かが問題」といって、それを敷衍して「どちらが男らしい生き方か」と自問するのだから、「矢弾を耐え忍ぶ」のは「生」、end them (騒擾を終わらせる)のは「死」ととるべきだろう。それを受けて、「死ねば夢をみる、それが面倒だ」と続くのだから。すると end は「戦ってやっつける」でなく「負けてしまうかもしれない」との語感を訳文に響かせたいものだ(難しいが)。 |
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以下詳細を示すコロンで「死ぬこと、すなわち眠ること」、比較・対照を示すセミコロンで「それ以上では全くない」、と言っている。 |
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; andで敷衍を示す「それで」「さらに言えば」。 |
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sleep が可算名詞化され「ひと眠り」「自分がそうした眠りをとれば」といった感じになっている。 |
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to say は we end から is heir to まで。この to 不定詞は未来・仮定を示す(「…と言うことは」→「…と言えるとすれば」) |
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これは「…に終止符を打つ」「…を終わらせる」でよいだろう。 |
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諸訳では前後を「心」と「体」の痛みと対比させているようだ。台詞の訳としては結構だが、ここ同義語反復ではないか。 natural は、自然に生じる。shock は、精神的衝撃。「心の痛み」と「何千もの自然と生じる心の動揺」 |
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「肉体につきものの」Flesh is heir to the heart-ache and the thousand natural shocks. と and の前後の名詞を並列させて読むのがよいと思うが…。諸訳は We end [{the heart-ache} and {the thousand natural shocks (that flesh is heir to)}].と読んでいる。be heir to は「…の相続人である」。 |
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to 以下 heir to までの句が終る印。 |
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it is の省略形で、it は前の句全体を指す。 |
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「成就」「終焉」「結末」「極地」など。この a は「一種の」の意。 |
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副詞 devoutly は to be wish’d に掛かる。wish’d は wished の省略形。「心より望まれる」。 |
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このカンマは、言い換え。「死ぬことは眠ること」。 |
33 |
このセミコロンは、敷衍。 |
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直前の to sleep を強調的に繰り返している。 |
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以下詳細で、具体的に述べる印。 |
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perchance は「おそらく」。to dream と to sleep が等価だと言っている。 |
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以下詳細で結論を導く印。 |
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間投詞「ああ」「まあ」(非難、あきらめなどを表す)。 |
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the rub で「障害」「困難」。 |
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次に言葉がくるが、省略。 |