It is now almost a century since a literate woman was sufficiently a curiosity to have the fact of her sex noted every time her literary activities were mentioned, and so authoress is going out of use. No one could have foreseen, fifty years ago, that women were soon to do so much that men had thought they alone could do that to attempt to call attention to it would burden the language.
柴田先生による構文解析では、最後の that 節「that to attempt to call attention to it would burden the language」をこの文中でどのように位置づけておられるのでしょうか* (質問1)。修正訳「男にしかできないと男が考えていた多くのことを女性がするようになって、女を強調するのは言葉に無用の負担をおわせることになるだけだとは、50年前でも誰も予想できなかっただろう。」からは、よく分かりません。修正訳からは「forsee」の目的語となる名詞節(従って、その前の that woman ...で始まる名詞節と並置されている)と解釈されたとも想像できますが、この英文の解釈としては無理があるように思えます**。 伊藤先生の訳からも、あまりはっきりしたことは読み取れませんが、伊藤先生は「so much... that to attempt ...」のように so と that を対応させて構文解析されたようにも思われます。このような解釈は可能でしょうか**(質問2)。「woman were soon to do much that men had thought they alone could do」との言い方は可能と思われますので、この「much」の程度を「so 〜 that」で説明することも可能と思われます。この解釈を前面に押し出して訳すと、次のようになります。 「男が自分達にしかできないと考えていたことの中で、女にもできると強調するのが言語の負担になるほど多くのことを女性がすぐするようになるとは、50年前でも誰も予想できなかっただろう。」あるいは、「男が自分達にしかできないと考えていたことの内あまりに多くのことを女性がすぐにするようになったので、女を強調するのが言語の負担になるとは、50年前でも誰も予想できなかっただろう。」*** このような解釈の結果、伊藤先生は①「ことのうち多くを」の解釈として(1)のケースを取られたようにも思われます。 以上二つの質問にご教示頂ければ幸いです。
そこで、以下「柴田の補足」を加える。
英文下線部の辺りを分解してみる(多少不自然な英語となるのはご承知あれ)。
No one could have forseen(, fifty years ago,) [that women were soon to do somuch* {that (men had thought) they alone could do}that to attempt to call attention to it would burden the language]. S V, M, O[S’ were to do so N (or Adv) {(s’ v’) s v} that to do n would do n’] (Mは修飾語)
*much は、that 以下に修飾される名詞、so 〜 that の連語内の副詞、の二つの役割をしている。
Women were soon to do so much.
(女はじきにとても多くすることになる:so は副詞、much は副詞)
Men had thought that they alone could do much.
(男は自分たちだけが多くのことをできると思っていた:much は名詞)
Women were soon to do so much (M) that to attempt to call attention to it* would burden the language.
(①前から訳し:女はじきに多くのことをやるようになるため、女であること(it)に注意を向けるのは言語に負担をかけることになってしまう ②後から返り:女であること(it)に注意を向けるのは言語に負担をかけてことになってしまうほど、女は多くをやるようになる;①の much は名詞的、②の much は副詞的、に読める。つまりこの much は、副詞と名詞の両性具有ということになる。)
* it は「文中で問題になっていることがら」、ここでは「女を強調すること」を指す。
「多く」(副詞)と「多くのこと」(名詞)が絡まっているので解釈が混乱する原因だが、much が that 以下で限定されていることからして名詞としての解釈を優先させるべきだろう。つまり「(女性がやれるようになる)多くのこと」A= 「(男が自分たちだけができると思っていた)多くのこと」B。伊藤訳はB>Aと取れるのでのよくない。
そして、私柴田のお答えです。
「柴田の補足」部分で、ご理解いただけたと思うが、念のため。
*
(so 〜 なので) to A(do) することにしたら、to B(do)することになってしまう。
**
私もso 〜 that と取っています。原文の痕跡を残すため「多くのこと」としたのですが、訳文だけ読むと分かりにくいかもしれません。原文と対照させなくてよければ、「多くの」は省いてよいでしょう(文脈から、男がいろいろやってきたと読めるため)