So that evening they both dressed themselves up in fancy clothes, and leaving little Lexington in the care of a trained infant’s nurse who was costing them twenty dollars a day and was Scottish into the bargain, they went out to the finest and most expensive restaurant in town.
そこで、その夜二人はすっかりおめかしすると、一日に二十ドルも給料をとり、おまけに、スコットランド人の乳児専門の看護婦にレキシントンをまかせて、町中で一番豪華なレストランへ出かけていった。
[解説]
この訳では、何で「おまけに」なのかがわからない。Scottish には、俗語で「けちな」の意味がある。二十ドルもの日当(作品が書かれた数十年前としては高額)と、締まり屋のスコットランド人の対照を and が示している。多少の説明訳にする必要があるだろう。
修正訳
…日給二十ドルもとるくせに、締り屋で有名なスコットランド人の乳児専門看護婦に…
◆語義選択
‘What a fabulous place this is!’ he cried as he stood at the corner of Fifty-seventh Street and Fifth Avenue, staring around him.
「わあ、ここは、なんてすばらしい所なんだろう!」五番街と五十七丁目の角に立って、あたりを見まわしながら、彼はこう叫んだ。
In fact, the whole business affected him profoundly, almost as profoundly, one might say, as the birth of Christ affected the shopkeeper.
実際すべてのビジネスは彼に深い感動を、あたかも、ある人がいったように、クリスト誕生が小売商人に与えるような、深い感動を与えるのであった。
[解説]
affect は(1)[SVO の形で]…に影響する。例:A damp, cold day affects his health.(じめじめした寒い日は彼の健康に悪い)(2)[通例 be 〜ed で]…で感動する。例:I was much affected by her excellent performance. (私は彼女のすばらしい演奏に深く感動した)。ここは(1)。
one might say の one は一般人称(人間全般を指す)であって、特定の誰かを指すものではない。
「クリスト誕生が小売商人に与える」ものは「感動」でなく「影響」。ここ、皮肉っぽく言っている。キリストが生まれ、クリスマス・プレゼントで小売商が潤い嬉しい悲鳴をあげる、のと同じ効果を、生命ビジネスはザッカーマン氏にもたらしている(人が死ねば葬儀で儲かる)、ということ。