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第39回 (4月上旬号)
『夜想曲集—第1章老歌手』
(カズオ・イシグロ作、土屋政雄訳)①
by 柴田耕太郎
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 訳は上手いし、誤訳もほとんどない。
 書き出しの原文を丁寧に見てゆき、直訳したものと、土屋の訳文を比べてみよう。
THE MORNING I spotted Tony Gardner sitting among the tourists, spring was just arriving here in Venice. We’d completed our first full week outside in the piazza—a relief, let me tell you, after those stuffy hours performing from the back of the cafe, getting in the way of customers wanting to use the staircase. There was quite a breeze that morning, and our brand-new marquee was flapping all around us, but we were all feeling a little bit brighter and fresher, and I guess it showed in our music.

1<THE MORNING> 2<I spotted Tony Gardner sitting among the tourists> 3<,> 4<spring> 5<was just arriving> 6<here in Venice>. 7<We’d completed> 8<our first full week> 9<outside in the piazza>10<>11<a relief>12<, let me tell you,> 13<after> (14<all those stuffy hours>) 15<performing from the back of the cafe>16<,> 17<getting in the way of customers> 18<wanting to use the staircase>. 19<There was> 20<quite a breeze> that morning 21<, and> 22<our brand-new marquee> 23<was flapping all around us> 24<, but> 25<we> 26<were all feeling> 27<a little bit> 28<brighter and fresher> 29<, and> 30<I guess it showed in our music>.
1 いきなり the とあるのは、読者を著者と情報の共有に引きずりこむため(同じ場所で、同じ経験を体験)。大文字なのは、書き出しで読者の注意を引くため。
英語の
morning は、日本語の「朝」より時間帯が広い。
2 SVOCの構文。spot は、努力しても普通は見つけにくいものをたまたまみつける、の意。Tony Gardner は、作中の人物で、アメリカのジャズ奏者。
3 アンドの代わりのカンマ。
4 「泉」(c)、「春」(u)(c)、のうち「春」。
5 just は進行形とともに用いられ、「今にも」。この進行形は動作の継続ではなく、動作の接近。
6 自動詞(arrive)+副詞(here)+前置詞句(in Venice)の形。副詞で大状況(大まかな位置)、前置詞句で小状況(具体的な場所)を示す。
ここ、すなわちベネチア」。都市名は、原則現地語読み(×ベニス)。
7 We had completed(過去完了)は、動的動詞なので完了または経験を示す(《その時点に於いて》やり終わった、やり終わっていた)
8 our は、自分もその一員であるバンド。first は、冬が明けて初めての、の意。この week は、具体的に「一週間の勤務(演奏のこと)」
9 副詞+前置詞句「外の広場で」。piazza は、イタリア語で(都市の)広場。the と特定化しているが、後で具体化される旧政庁と運河に囲まれた有名な広場を指す。
10 付加的に続ける印。以下の名詞句で前文の結果・影響を言っている。ダッシュのあとに、it was が省略されていると考えてもよい。
11 a と可算名詞化され、「ほっとする気持ち」。
12 挿入節。イディオム let me tell you I can tell you(確かに、本当に)。let me tell you that it is a relief. と読む。
13 前置詞「…の後では」。after all (結局)と読んではならない。
14 allは強調。those は、この場合指示性を持ち「(自分たちがそれまでにやっていた)あの、例のstuffy は、新鮮さに欠け息づまること「詰まらない」。全体が副詞句で performing 以下に掛かる。
15 performing (演奏すること)は動名詞で after と繋がる。from は(perform する)基点を示す。この back は(1)裏側(2)奥の部分、のうち(2)。cafe は、酒類も出す軽食堂
16 付加的に続けるカンマ。
17 getting は、performing に掛かる分詞形容詞。get in the way of O(=get in Os way)はイディオムで「…の邪魔になる」。
18 さてこれが分からない。直訳すると「階段を使いたがっている(顧客)」だが、何のために階段を使うのだろう。現場にいけばすぐ分かることかもしれない(二階に展示室がある、ゆったりしたテラスがある、あるいは階下にトイレがあるなど)が、日本語を読む読者が疑問を抱かないよう、うまく誤魔化すのも翻訳の芸のうちwanting customers に掛かる分詞形容詞。
19 初出現を導く導入語。便宜的に=we had と考えてよい。
20 quite a +名詞で、かなりの…breeze は軽風。微風(そよかぜ)よりも強い。
21 帰結を導く。「それで」。
22 ourは「自分たち所有の」でなく、「自分たちがいつも使っている」の意。
brand-new は、新品の。marquee は、大天幕
23 all は強調。「我々の周り至るところで、パタパタと鳴っていた」。
24 前後の節の強い対照を示す but
25 バンドメンバーのこと。
26 we all は同格。進行形は、一時的な気分を示す「心地がする」。
27 イディオム「ほんのちょっと」。
28 晴れやかで生新」。似たような意味の言葉を重ねリズムを出している。比較の対象は、室内で演奏していた時。
29 前節の帰結を示す「そういうわけで」。
30 SVOCの構文。it は、直前に述べられている、戸外で演奏できるので気分がよかったこと。
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